武奈ヶ岳登山

夏休みに南アルプス登山を計画している。本格的な登山は久しぶりなので、トレーニングを兼ねて7/30の土曜日に武奈ヶ岳に登ってきた。
実は、アメリカから帰って喘息がまた悪化して、少し体がなまり気味。はじめは、少しのどが痛いと思ってコロナになったかと思ったが、熱は全然出ず。しばらく様子を見て念のため検査してもらったら陰性だった。そこで、いつも喘息を見てもらっている病院に行って調べてもらうとNOの値が悪くなっていて喘息が悪化しているということだった。確かに、夜になると咳が出て全然寝れない状態が続いていたので、喘息かもとは思っていたが、今までの発作と全然症状が違ったので戸惑った。とりあえず、気管拡張剤を併用することで症状は治まってきた。
さて、登山の話に戻る。なんせ久しぶりの登山(しかも山小屋泊の1泊2日)なので、しっかり準備をしないと、ということで、本番並みの装備を背負って登ってみた。
ザックは、RayWayのザック。装備は、非常食、行動食、着替え、雨具、シュラフ、ヘッドライト、など、本番は前日泊で終わってから温泉に泊まる予定なので、もっと荷物が多いが、少し体がなまっていることを考えて少し減らした。
シューズは本番を想定して、メレルのモアブにした。服は低地ということを考慮して、本番よりも薄着にして、上はファイントラックのドライレイヤークールに、モンベルの半そでT。下はモンベルの短パンに、草除けにゲイターを履いた。
食料は、いつものように鰹節のおにぎりを2個。行動食は、スポーツ羊羹、ミニ羊羹、ナッツ、アメリカでお土産にもらった甘いナッツ、チョコグラノーラ、柿の種、一本満足バー、カントリーマアム、やまよりだんご、エネもち、エナジージェル。非常食はアルファ米
行動食で実際に食べたのは、ナッツ、甘いナッツ、スポーツ羊羹、エナジージェル。それから下山後に一本満足バー。いつものように、行動中の補給は少なめで降りてから空腹を感じた。これではいかんと思いつつ、なかなか行動中に十分補給ができない。
夏場ということを考えて、水は多めに。モンベルのハイドレーション2Lに塩梅水を1.5Lほど入れて、前日から凍らせておいた。これに当日の朝少し水を加えて持って行った。モンベルのハイドレーションはアルミのカバーが付属しているのでこれをかけておいた。効果は絶大で、朝の7時過ぎに冷凍庫から取り出して、午後の3時くらいまで冷たい状態をキープしていた。また、途中で水が補給できなさそうなので、予備として山サーモスに氷水を入れて持って行った。

出発

登山なので本来は朝早くから登るのが本筋なのはわかっていたが、子供がサマースクールを受講中で、朝起こす必要があったので、早朝出発はやめて、朝一の新快速で北小松に向かった。北小松到着は8:49。ほかに登山客の姿はない。まあ、もっと早く来るのだろう。少しは涼しいかと思ったが駅前は暑い。途中の車窓から見てわかっていたが、雲が比良山系全体を覆っていて天気はあまりよくない。この季節はだいたい、比良山系はよく晴れることが少なくて、特に午後からは雲が発達して夕立のような雨が降ることが多い。今日のように朝から曇っていることはそれほど多くないが。とりあえず眺望はあまり期待できなさそう。まあ、トレーニングなのだから、土砂降りにならなければいいか。
出発してすぐにのぼりが始まる。まだまだこの辺は舗装されているしゆるやかなのだが。いつも軽装で登るので、本格的な山装備のザックを背負うのは実に数十年ぶり。やっぱり重いし、肩に食い込む。
途中、比良げんき村という施設の横を通った。あまりやっている雰囲気はなかったが、この日は天体観測をするようだ。入口(らしきところ)から少し上ると天体観測のドームがあった。たしかに、この辺なら星はきれいに見れるだろう。

比良げんき村。この日は天体観測会があるようだった。

もう少し上ると登山口に到着。お作法として登山届を書いて出しておく。ほかにも何枚か提出済みの届があったので何人かは登っているようだ。
もう少し上ると、楊梅滝に到着。下が雄滝で、滝脇を通る予定だったが、遊歩道が崩落していてう回路に案内されている。う回路をしばらく上ると滝が見えた。これはたぶん雌滝の方だろう。

楊梅の滝。たぶん雌滝

釈迦岳まで

ここからのぼりがきつくなる。稜線に上がるまでの斜めの道なので傾斜がきつい。標高が低く、暑さが厳しい。はやく標高を上げて涼しいところに行きたい。
しばらく上ると涼峠に到着。といってもそれほど涼しくない。風の強い日には涼しい風が通るのかもしれない。

涼峠。それほど涼しくない。

しばらく傾斜が緩くなったが、ヤケ山の手前でまた傾斜がきつくなった。この辺でようやく、前を上っている人を抜いた。今日初めて見た登山者だ。このルートはかなりマイナーなルートのようだ。ヤケ山に到着。

ヤケ山に到着

ヤケ山から今度はヤケオ山に向かう。名前の由来はさっぱりわからないが、ややこしい。
途中で思いっきり道を間違えそうになった。たまたま地図を確認したのですぐに間違いに気づいたが、あやうく間違ったまま進んでいくところだった。標識も何もないし、普通に稜線をそもままたどると間違った方向に行ってしまいそうになる。本来の道は、枝尾根のようなところを降りていく感じになるので、よくよく見ればこちらの方が道が少しはっきりしているのでわかるのかもしれないが、何も考えずに稜線をたどっていくと間違えてしまう。

道を間違えたところ。稜線は右に続いていく感じだが、本来の登山道は左に折れて尾根を降りる。

しばらく行くと眺めの良いところに出た。上に上がるとガスがかかってそうなので、眺めがあるうちに写真を撮っておく。

琵琶湖が見える。

またのぼりがきつくなって、登りきるとヤケオ山に到着。ここで、4人連れの登山者に会う。これから登っていくのかと思いきや下って行った。いつから登っていたのだろう。

ヤケオ山

ここからはガリバー旅行村方面がよく見えた。ただ、ガスは結構きつくなってきており、この先はあまり眺望が期待できそうにない。

ヤケオ山からガリバー旅行村方面を望む

ヤケオ山からはしばらくゆるい傾斜のところを進む。途中で琵琶湖がよく見えた。

雲の下から琵琶湖が見える。

11時過ぎに釈迦ヶ岳に到着。予定よりも45分ほど早い。ちょっと飛ばしすぎかもしれないが、このままのペースで行けるところまで行こうと思う。

釈迦ヶ岳

武奈ヶ岳まで

釈迦ヶ岳からは八雲ヶ原を抜けて武奈ヶ岳山頂に向かう。
釈迦ヶ岳でいったん標高1000mを越えたが、八雲ヶ原に向かっては降りていく感じになる。
途中で、比良ロッジ跡を通る。

比良ロッジ跡
比良ロッジ跡の広い空き地。兵どもの夢のあと?

昔はスキー場があったようで、ここにロッジがあったのだろう。広い空き地でキャンプするのによさそうなところだ。水場があれば文句なしというところ。
ロッジ跡から八雲ヶ原に降りていく。このあたりがスキー場のあとらしい。

八雲ヶ原に向かって降りていく

八雲ヶ原は高層湿原で、近畿では珍しい。

八雲ヶ原の案内板
八雲ヶ原の湿原

ここでは何人かの登山者が休憩していた。八雲ヶ原には11:30に到着。お昼には少し早いが、ここで2個目のおにぎりを食べる。予定よりも1時間早い。
八雲ヶ原からはスキー場跡を抜けて武奈ヶ岳頂上下に登る。このあたりからさらにガスが強くなってきて時々ほとんど視界がきかない時がある。だが、一方で登山者は増えて多くの人とすれ違うようになる。ようやくメインのルートに出たようだ。
12:23 頂上に到着。頂上には結構人がいた。しかし、すっかりガスに覆われて何も見えない。おまけに稜線上は風が強く、気温も低くて寒いくらい。ゆっくりしててもしようがないので早々に下山する。

武奈ヶ岳頂上。ガスで何も見えない

下山、金糞峠まで

下りのルートは一旦、西稜線をたどって、ワサビ峠までいいってそこから下った。
ワサビ峠までは気持ちのいい稜線だった。あいかわらず視界はよくないが。
ここでも数人の登山者とすれ違う。一人はトレランの格好をしていた。

ワサビ峠

ワサビ峠からは沢を渡って登り返して中峠に出る。そろそろのぼりがつらくなってきた。帰りのルートは結構アップダウンのあるルートを選んでいたのでちょっと失敗したかもと思い始める。

中峠。ここから金糞峠へ向かうが、とんでもない道だった。

中峠でも何人かの人が休憩していた。そのうちの一人の人に声をかけられた。金糞峠への道は大丈夫ですか? 私もこの道は初めてだったので、自分もこれから行くところだが、初めて行くのでよくわかりませんが、地図に載っている道なので多分大丈夫じゃないかと思う。と答えたが、この人の心配は当たっていた。あらかじめそんなにいいルートじゃないとわかっていたのかもしれない。中峠からは沢筋を一気に下り下りるのだが、道なのか沢なのかわからないところが多々ある上に、何度も沢を渡渉しなければならない。おまけに水量は結構多く。水につかりながらわたるところが何か所もあった。そして、岩は滑りやすく何度もこけた。途中で声をかけてくれた人を抜いたが、抜いたときは沢に水がそれほどないところだったが、そのあとどんどん水量が増して歩きにくくなった。あの人は無事に降りられたのだろうか?
ようやく沢を降り切って、合流した別の沢を少し上ってから、金糞峠に登った。

金糞峠

金糞峠ではトレランの一団が休憩していた。比良山系を縦走しているのだろうか? この辺りは標高も1000m以上あって涼しいので夏に走りに来るにはいいところだと思った。

イン谷口へ

金糞峠からは堂満岳へまた登り返しになる。それほど傾斜はきつくないが筋肉が悲鳴を上げつつあり、結構つらい。そして、堂満岳への分岐を見過ごして通り過ぎてしまった。地図を見ると今いるまき道をもう少し行けば、堂満岳への別の道への分岐があるので、そこまで行ってから登ることにした。まき道を行ったぶん最後ののぼりがきつくしんどい。
14時過ぎに堂満岳に到着。金糞峠までの下りで苦戦した分、時間がかかってしまい、少し貯金を吐き出した形になった。それでも予定よりも1時間ほど早く着いた。堂満岳からはしばらく尾根を下る。さっきの沢下りのようなことはないだろうと思ったが、傾斜がきつく尾根くだりも一苦労。おまけに岩がゴロゴロしていて最も苦手な道。帰りのルートはことごとく選択ミスであった。ここでも2度ほどこけた。滑ったわけでなく、足を木の根に引っ掛けた。今日は何回こけたことか。10回まではいかないと思うが間違いなく5回以上はこけている。
ノタノホリまで降りてきた。ここで道を間違いそうになるが、休憩していた女性に間違いを指摘していただいた。なんでも先に降りてきた人たちも間違えたそうで、確かにわかりにくい。ノタノホリからは、少し行くと道が沢沿いになり降り切ったところでイン谷口との分岐。イン谷口からは比良駅までバスがある。時刻は3時過ぎ。バスは15:25なので少し待つ感じになるが、結構疲れているのでバスで帰ることにした。ところが、ここでもぼーっとしててどんどん下ってしまい、湖西道路まで出てしまった。地図を見ると分岐を通り過ぎてだいぶ降りてきてしまっている。このまま駅まで行こうかと考えたが、まだバスには間に合いそうだったし、戻った方が早いので引き返すことにした。分岐につくとちゃんと標識が立っていて、本当にぼーっとしていたんだとゆうことがよく分かった。おかげでバスを待つ時間がほとんどなくすぐに乗ることができた。バス停では10人ほどの人が待っていた。バスで比良駅まで行き、トイレに行って、マイクロファイバータオルを水で濡らして、ホームの待合所で体をふいて、上だけ着替えた。マイクロファイバータオルでふくだけで汗でべっとりしていた肌がすっきるするのでこれはお勧めです。上にも書いたが、降りてきておなかがすいたので一本満足バーを食べて、山サーモスの水をごくごく飲む。ハイドレーションの水はバス停までで飲み切っていたので水分量としてはちょうどよいくらいかと思っていたが、これも、家に帰ってからのどが渇いて、また冷たいお茶をごくごく飲んだのでちょっと水分補給も足りなかったことが分かった。もう少し学習しないといけない。おなかの方も一本満足バーだけでは足りずに、家の近所のセブンイレブンで、シュークリームとエクレアを買って食べた。本番では、行動食はもう少し多めの方がよいような気がする。荷物になるが、食料は何よりも大切だ。