弘法トレイルに参加しました。~とりあえず完走~

5/21に行われた弘法トレイルに参加してきました。今年の最大の目標にしてきた大会です。
結果は、タイトルにも書いた通り、とりあえず完走です。しかも、上位入賞のおまけつき。個人的にはなんで?? という感じでしたが、なぜそう思ったのかは後の方を読んでください。

準備

前回に書いたように、月曜日に腰が痛くなってしまい、リハビリに通う日々で、当日まで本当に完走できるか不安でした。
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患部の痛みは何とか治まったものの、金曜の夜になってその前の土曜日に痛くなった腰の真ん中あたりがまた痛くなり、痛みが出たときには病院が既に閉まっている時刻。どうしようもないので、湿布を貼って様子を見て、だめならキャンセルも考えていた。とりあえず、土曜日の朝に何とか痛みがなく動ける状態だったので、出発することにしました。弘法トレイルは前日に集合、受付をして、全員で宿泊ということになってるので、土曜日に出発です。
お天気が暑かったり、また涼しくなったりと気温が不安定で、いろいろ考えて持ち物が多めになってしまいました。
ザックは、この手の大会ではいつも使う、サロモンのADVSKIN12。ウェアは、基本は下が、モンベルの短パン、上がTシャツという格好。思ったよりも涼しい場合は、上下ともトリムテックスの長袖と、長ズボンを準備、足にはそれとゲイターを準備。靴はアルトラのモンブラン。それとトレッキングポール。大会でトレッキングポールOKの大会は結構珍しいが、DtoKについてはOK。吉野から出発するKtoKの人は、大峯奥駆道の区間が使用禁止でそれ以降はOKということになっている。KtoKの人は服装も白基調と決められている。
それ以外に、ヘッドライト、レインウェア(上のみ)、エマージェンシーシート、携帯トイレ、熊鈴、食料、水を準備。熊鈴は、なんでもコース上で熊が目撃されたということで、直前に装備に追加されたもの。食料は、今回はエイドが結構よさそうなのと、前泊なので、いつも用意するおにぎりを持っていきませんでした。おにぎりはアルファ米のおにぎりタイプがあるのでそれを持っていくことも考えましたが、そこまでする必要もないかと思って今回は持って行かず。エナジージェルにANDO_、チョコ羊羹、ナッツ、ブラックサンダー、一口ういろうなどを用意。ういろうは好物なんですが、賞味期限が短いのと、その辺のスーパーでは売ってないのでいつもは持って行かないのですが、今回は名古屋出張があったのでその時に買ってあったものを持参しました。水は、1.5L必携ということで500mlのソフトフラスクを3つ用意。これに、クエン酸と、塩(ぬちまーす)を溶かして使うことにした。小さな袋に、クエン酸ぬちまーすを2gづつくらい入れておいたものを、補給用も含めて9つ用意した。
あと、高野山にはコンビニはないということで、ゴールした後に食べるように、パン、柿の種、甘いお菓子なども用意。結局ゴール地点には何も食べるものは置いてなかったので、持って行って正解だったが、パンは少し余分に買いすぎてしまった。もうちょっと少なくてもOKだった。

集合~宿舎まで

今回自分が参加したのは、短い方のDtoKだったので、集合は近鉄大和八木駅。奈良育ちなんですが、八木駅で降りた記憶はあまりなく、とても久しぶりに来た感じがしました。実家に電車で帰るときや、1月の石舞台100の時など、通過、乗換などで通ることはよくあるんですが。
集合場所は八木駅の南口ということで、降りて南口の改札を出る。しかし、それらしい受付が見当たらない。近鉄主催のハイキングを当日やっていたみたいで、その受付があったので、最初はそれかと思ったが、違っていたので、バス停の方に向かいながら周辺をキョロキョロ。ないなあ、と思って進んでいくと、バスターミナルの向こうに受付があった。受付でゼッケン、参加賞などを受け取る。参加賞も豪華で、陀羅尼助(それも2袋)、アルミのボトル、三輪そうめん、化粧水、Tシャツなど。Tシャツは宿で何度も参加している人たちが、今年のはデザインが今一とか、材質がしょぼいなどと言っていた。今年は弘法大師生誕1250年の記念大会ということなのでそのロゴが入っている。
受付が10時から11時で、出発が11時。バスで移動。コロナ対策でバスの中での飲食が禁止なので、バスに乗る前にお昼を食べる。駅前に1軒だけ、早い時間からやっている食堂があったが、そんなにお腹がすいていないので、近鉄百貨店に行ってパンを買ってきて食べる。
11時にバスで出発、洞川温泉まで約1時間半。
到着後、荷物は宿の方の車に預けて、まず体育館でブリーフィング。
この大会の歴史や、コースの注意など、また、今回で7回目になるそうだが、5回連続参加の方には記念品の贈呈があった。高野山大峰山の両方の朱印の入った手ぬぐいで結構な価値のあるもの。また、5回完走者には、準先達の賞状が贈られことになっているということで、候補者の方が紹介されていた。
そして、ペースメーカーとスイーパー3名の紹介があった。ペースメーカーの方は、制限時間(夜の8時)にゴール出来るペースで走る人で、ペースメーカーに抜かれるとやばいということらしい。また、スイーパーの方は最後尾について走られる方で、一人は本物の山伏の方だった。自分の参加した大会ではペースメーカーもスイーパーもいたことがなかったので、こういう人たちがいるのが、完走率が90%を超えている理由なのかと思った。
ブリーフィングの後は、龍泉寺に行って、護摩行を行った。

護摩行を行った龍泉寺

護摩行は初めての経験だったので、とっても新鮮でした。レースの前日に行をするというのも、弘法トレイルくらいしかないのでは。
そのあと、希望者は水行を行う。私は、年も年だし、明日のことがあるのでパスした。参加した人の話によるとそんなに寒くなかったとのことだった。

水行を行う池。水行は希望者のみ

水行に参加しない人は、宿の人の案内で宿に向かう。私は、龍泉寺から最も近く、旅館街から少し離れたところにある柳家という旅館に割り当てられていた。
夕食まで時間があるので、洞川温泉の温泉街をぶらぶらした。

温泉街にかかる橋から眺める洞川。水が澄んでいてすごく綺麗

明日は、ゴールするころにはお土産屋さんとかは全部閉まっているらしいので、ここでお土産を調達。宿の近くに蜂蜜屋さんがあったので、まずそこに。ご主人がお話し好きで長々とお話をしてしまった。恰好を見て明日のレースの参加者とすぐにバレたので、いろいろと昔の話をしてくださった。
そのあと旅館街をぶらぶら、ここは、大峯奥駈道を走った第一回目の時に、最後に降りてきたところ。もうあれから3年以上たっている。
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その時は疲れ切っていたのでゆっくり散策することもなかったので、今回はゆっくり散策。散策ついでに、明日のスタート地点である、エコミュージアムセンターに行ってみた。センター自体は洞川の向こう側にあり、中には自然観察に役立つ、動物や鳥、虫などの展示がしてあった。どちらかというと子供向けの展示という感じ。スタート地点は川向こうの駐車場で、宿からは10分くらいといったところ。
お昼が早かったので、ぶらぶらしているとお腹がすいた。エコミュージアムセンターから温泉街に戻る途中にソフトクリーム屋さんがあった。ちょっと心惹かれたが、洞川温泉は標高が800m以上あって結構涼しく、ちょっと冷たいものの気分じゃなかったのでパス。その先にお団子屋さんがあったので、お団子をいただくことにした。しょうゆ味とみたらしがあるということなので、1本づつ注文した。

散策して疲れたので、おやつにお団子をいただいた。

宿に戻ると、同室の方2名がお話をされていたので、混ぜてもらっていろいろとお話をした。こういうところは前泊の大会の良いところだと思った。お一人は東京から来られた方、もう一人は私と同じ大阪の方で、お二人とも何度も参加されているベテランで、いろいろとお話を伺うことができて良かった。
夕食は、同じ宿に泊まっている大会参加者全員で一緒にとった。女性の方が4名。男性が6名。女性の方も、何度も参加されているベテランの方おられて、過去の大会のことを色々とお話しくださって楽しかった。また、大会前にコース上で熊が目撃されたということで、熊の話題でも盛り上がった。女性の方は一人、クマよけスプレーを購入された方がおられた(結局持ってこなかったそうだが)、値段を聞いてびっくり、1万円以上もするそうな。まあ、まさかの時の護身用と思えばそんなものかも知れないが。需要もそんなにないだろうし高くても仕方ないのかもしれない。

大会当日

スタートまで

朝食は6時半からということで、前日5時半くらいに起床ですかねと同じ部屋の人と話をしていたが、結局5時に起きてトイレに行って帰ってきたら、他の人も起きて5時起床ということになってしまった。
それからいろいろ準備をする。今回は腰にも不安があるので、いつもの膝以外に腰にもテーピングをする。しかしテープが長すぎて、一人ではうまく貼れず、結構しわになってしまった。まあ気休めだと思ってそのままにした。また、ちゃんとしたトレイルでなく、大会専用に新たに切り開いた区間もある(といっても10年前に切り開かれて結構道っぽくなっているらしいが)とのことなので、念のため、左足首にもテーピングをする。左足首は若いころにオリエンテーリングで捻挫して、それ以来くせになっているので、オリエンテーリングの時はいつもテーピングをするのだが、トレイルランではそこまで不整地を走ることもないのでいつもはテーピングをしていないのだが、今回は念のためにテーピングをしておいた。
そして、ウェアを準備していると帽子を忘れたことに気づいた。あとで家に帰って、準備リストを見るときっちり帽子が抜けていた。リストになくても直前に思い出して追加したものもあったのだが、帽子は思い出せなかった。頭は黒色で蜂に狙われやすいというのでいつも帽子をかぶっているのだが、仕方ないので、手ぬぐいを鉢巻にして帽子代わりにすることにした。
スタートは8時ということだが、7時半からセレモニーをするということで、7時20分に宿を出発。
スタート地点にはレジェンドの鏑木毅さんがおられた。いつも吉野から走られているということで、洞川に来られるのは初めてとのこと。今年はけがをされていて走らないということで、吉野でランナーを見送った後、洞川に来られたとのこと。
DtoKの参加者は男性が27名、女性が19名で、結構女性の比率が高い。男性はKtoKが圧倒的に多く100名以上が参加している。同じ部屋に泊まっていた方が、DtoKに1回でるとKtoKに参加したくなりますよと言っておられたが、なるほどと思った。

スタート~第一エイド(武士ヶ峯)

8時にスタート。スタート時点は晴天で気温もどんどん上がっていて、暑くなりそう。ウェアはTシャツ、短パンでスタート。最初は洞川温泉の温泉街を抜けていく。宿やお店の人が店先で手を振って応援してくれる。腰の調子が万全でないので、無理をせず後方からついていく。温泉街を抜けるとしばらく、下市に抜ける県道を走る。しばらくすると、坂がきつくなってきたので、無理をせず歩く。上り坂が一番腰にこたえるので、初めから無理をして走れなくなったら元も子もない。今回はトレッキングポールが使えるのが救い。ポールがあるのとないのとでは腰にかかる負担がだいぶ違う。
小南峠の手前でトンネルがあり、トンネルの前からトレイルに入る。トレイルに入る前から坂は結構きつめだったが、トレイルに入ると単なる登山を通り越した、斜面のよじ登り。オリエンテーリングではよくあるが、トレイルランでここまでの斜面はめったにない。小南峠が最初のチェックポイントで、KtoKのコースとの合流点。ここまでで45分。ここで、早くもKtoKのランナーが2人やって来た。スタートは6時半なので、2時間15分くらいでここまで来たことになる。自分が大峯奥駈道を走った時、吉野から大天井ヶ岳まで3時間かかっているのでめちゃめちゃ早い。
小南峠でまだ登りは終わりでなく、まだまだ延々と登りが続く。ここがコースで一番の登り。だいたい450mくらい上る。前を行くKtoKの猛者たちもここではゆっくりと登っていく。ようやくピークに出て、そこから細かいアップダウンを繰り返して下り基調で、次のチェックポイントに向かう。
途中絶景ポイントがあったので写真を撮る。

切抜峠に向かう途中の絶景ポイント

吉野に来たという感じの絶景。写真を撮っている間にまたKtoKの人に抜かれる。この後もKtoKの人にはたくさん抜かれたがDtoKの人にはほとんど会わず。一人だけ途中で抜いて後で抜き返された人がいたが後はほとんど一人旅状態だった。宿で同じ部屋の人がこのレースは孤独だと言っていたがまさにその通りの展開だった。このあたりでだいたい1時間たったので補給を取る。ほかの人のブログでだいたい1時間おきに補給を取るというのを読んだので今回は自分もやってみることにした。ここではチョコ羊羹を食べた。
切抜峠に到着。ここまでで1時間40分くらい。ここが最初の関門で関門時間は12時。次のポイントが最初のエイド武士ヶ峯で16.6km地点。
切抜峠のチェックポイントからしばらくまたのぼり。だいたい、チェックポイントやエイドは人が来やすいところになっているので、下ったところにあることが多く、そこからはまたのぼりになる。このあたりまで、腰の方は全然問題なく、トレッキングポールもあることだし何とかなるかと思い始める。しかし油断は禁物。
登った先にまた絶景ポイントがあったので写真を撮った。コース上の写真はこの2枚だけです。あとは本当に余裕がありませんでした。

切抜峠の先の絶景ポイント

このあたりで2時間経過したので、ここでまた補給。今度はブラックサンダーを食べた。

まさかの膝痛

武士ヶ峯へ向かう下りで右足の腸脛靭帯のあたりが痛み始めた。4月のモンキートレイルでも痛くなったところだ。ここは筋肉が張っていたので、十分にほぐして、大会前には何ともなくなっていたし、GW中のトレイルランでも全く問題なかったので全くの想定外だった。まだコースの3分の1しか来てないのにこのありさまではこの先どうなることやら。とりあえずエイドでロキソニンを飲むことにする。
武士ヶ峯には3時間半で到着。関門時間が14時なので、余裕は2時間半。この後は、だいたい関門閉鎖時間まで2時間半というタイムで進んでいくことになった。
エイドでは、パン(2つ)とバナナをいただいた。水を補給してロキソニンを摂取。トイレにも行って、比較的ゆっくりとした。最初のチェックポイントあたりから尿意を感じていて、今日はおしっこの日(自分で勝手につけた名前ですが)かなと思っていた。どうも頻繁におしっこが出る日があって、琵琶湖をナイトウォークした日も頻繁におしっこが出て、しょっちゅうトイレに行っていた。
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この日もそんな感じかと思ったが、トイレはこの1回で済んだ。

武士ヶ峯~第三チェックポイント(出屋敷峠)~痛みとの闘い~

武士ヶ峯からはしばらく平たんなところが続く、極端なアップも極端なくだりもない。おかげで膝の方はあまり気にせず進むことができた。モンキートレイルの時もそうだったが、不思議な症状で、登りと平坦では全く痛くなく、きつい下りになると膝の外側が痛む。
次のポイントは天辻峠。武士ヶ峯から約7km地点。天辻峠の手前でいったん登り、最後は劇下り。
最後の下りの手間で鏑木さんと会う。どこから来られたのか分からないがコースを逆走する形でランナーたちを励ましに来られたみたい。あと10分くらいでその坂を上ったらあとは下りですよと言って励ましてくれた。
ここで、横向きに進むと膝が痛くないということを発見。以降下りはカニ歩きの要領で横向きに進む。エイドの手前で舗装路に出る。少し行くとエイドらしきものがあったが、私設のエイドとのこと。ここにおにぎりがあったのでありがたく頂く。少し行くと本当のエイドがあった。
天辻峠には5時間15分で到着。関門の設定が、武士ヶ峯から天辻峠間が1時間45分に設定されていたが、ほぼその時間で進んだ。確かに膝は痛いが、それほど遅く進んでいるわけでもないので、この関門時間の設定は、最初のうちが緩く、その辺で関門ぎりぎりになってしまうとそのあとの関門を通過するのはかなり厳しいと感じた。たしか、ブリーフィングの時も、武士ヶ峯を13時くらいまでに通過しないと完走は厳しいと言っていたのでなるほどと思った。
天辻峠ではプリンを2ついただき、パンとバナナも補給。一応ここで途中のリタイヤポイントについて聞いておいた。エイド以外にチェックポイントでもリタイア可能ということで先に進むことにした。エイドのみだと次のエイドの天狗木峠まで13kmもあるのでリタイヤの判断をここでしないといけないと思った。
天辻峠から一気に登って、また劇下りをして、出屋敷に到着。少しロキソニンが効いてきたのが痛みが治まって来た。このまま済めばよいのだが。
出屋敷到着まで、5時間45分。天辻峠から30分で、また、関門設定時間の間隔で到着。

出屋敷峠~天狗木峠(第三エイド)~リタイヤとの闘い~

出屋敷からは例によってまた登り、しかし、この辺からは高低図を見て、急なくだりが後いくつあるか数えるようになっていた。次のポイントは紀和隧道でコース上では5.2km。この区間の大きな下りは3か所。必死になって横歩きで下る。そして、ロキソニンが切れ始めたのかまた痛みが強くなってきた。そして、横歩きをするせいか膝のほかの部分に負担がかかるようになっているようで右ひざの内側も痛くなってきた。この辺で、なんでここまでして走り続けるのかと思い始める。それに、25km以上走ってきて登る足もそろそろなくなり始めてきている。それでも前に進まないことにはリタイアもできないのでとにかく進む。
紀和隧道まではGPSウォッチの計時では6km以上あった。あとで見るとGPSの位置が飛んでいる。バッテリー残量がなくなってきていて正確に位置が取れなくなっていたのかもしれない。紀和隧道には、7時間で到着。まだ、関門設定時間の間隔では進めている。痛みは強くなってきたが我慢できないレベルに達してないので、ここでロキソニンをまた飲んで、とりあえず次の天狗木峠まで進むことにする。それに、ここはトレイル上のチェックポイントでリタイアしにくい雰囲気だったし。
紀和隧道と天狗木峠間はコース上では6.3kmだったが、GPSウォッチでの距離は8kmくらいありとても長く感じた。ただし、GPSの計測がうまくいってない可能性もあるのでコース距離が間違っているとは言えない。コース図上では一気に登って平坦になり、その先に劇下りがあることになっていた。そこが一番のポイントと思って覚悟をしていたが、コース図(自分でカシミール3Dで作った)が間違っていたようで。比較的フラットな舗装されていない林道が続いている。膝さえ問題なければゆっくりと走れそうな区間だが、走って膝を壊すと本当にリタイアになるので我慢して歩く。これぐらいの傾斜なら歩く分には全く問題ない。
天狗木峠にはGPSウォッチの記録上では約9時間で到着。ここで関門設定時間間隔から30分遅れた。ただ、記憶では8時間半くらいでついていたように思う。あと7kmでゴールが18時頃になりそうと思っていたので。GPSウォッチがバッテリー低下でちゃんと機能していなかったのかもしれない。
ここにパトカーが止まっていて何かあったのかと思ったが、リタイヤする人がいるらしい。ここから先はロードということで、何とかなりそうと思ってリタイヤせずに進むことにした。ここのエイドでは芋餅とバナナをいただく。芋餅は野迫川村の郷土料理ということで、他の参加者からおいしいと聞いていたが、本当においしかった。

天狗木峠~ゴール、そして帰宅

ここからはロードで、約7km。関門時間まではまだ3時間あるので歩いても1時間半あればゴール出来る。きつい下りもなさそうなので、完走がようやく見えた。
歩いているとKtoKのランナーがどんどん追い抜いていく。しんどくて歩いていると思って励ましてくれるが、こっちは体力的にはまだ少しは走れる足は残っているが、なんせ膝が怖くて走れない。歩いているの分には全く痛くないので、ついつい走りたくなるが我慢して歩く。高野山の山域に入るとところどころに係の方おられて励ましてくれる。ここでも走れないのでなんかもどかしい。そしてようやくゴールに到着。ゴール地点は金剛峰寺の本堂。

金剛峯寺本堂前のゴール地点。

ゴールすると10位以内に入賞していると言われた。冒頭にも書いたがえって感じ。最後のエイドから全部歩いてきたが、抜かれたのはKtoKのランナーばかりで、DtoKのランナーには一人も抜かれなかった。なので、最初から後ろの方にいたはずなので、かなり最後尾の方にいると思っていたのに。前を走っていたランナーは男子でも20人くらいいたように思ったが、エイドやチェックポイントでもほとんど見かけることがなかったし、いったいどこに行ってしまったのか、まさか途中でリタイアしたわけではあるまいし。なんせ完走率は90%を越える大会だから。本当に不思議だ。ゴールでは鏑木さんが待ってくださっていてグータッチをしてくれた。これだけでもこの大会に参加した価値があるというものだ。
とりあえず、9時間47分でゴールしたのは間違いない。目標が10時間から11時間という設定だったので、目標を上回ることができたのは良かったが、膝の痛みに苦しんで思ったように走れずに残念だった。
ゴールして金剛峰寺にお参りをした。金剛峰寺では空海生誕1250年ということで、特別に秘仏を開帳していた。秘仏を拝ませていただいて、荷物受け取り場所の西禅院に向かう。

金剛峯寺の本堂。6月まで秘仏の開帳中

西禅院ではお風呂にも入れるということで至れり尽くせりだが、思ったより早くゴールできたし、お風呂は順番待ちとのことだったのでさっさと家に帰ることにしてお風呂はパスして帰ることにした。遅くなると帰りのバスもちらほらとなって時間待ちが多くなるので、時間によってはお風呂に入って帰ってもよいかと思ったが、この時間なら22時前に家に帰れそうだった。金剛峰寺の近くの千手院東というバス停からバスに乗ってケーブルカーの駅に向かう。ゴールするときにはまだ空いていたお店も、着替えてバス停に向かうときには既に閉まっていて、情報通りだなと思った。バス停の前にトイレがあったのでトイレだけ済ませて手を洗い、バス停のベンチでパンを食べる。ケーブルカーの駅までは10分ほど。すぐに連絡のケーブルカーがあるのでケーブルカーで南海高野線の終点である極楽橋に向かう。レースとしては少し早めにゴールできたが、一般の観光客としては遅い時間(お店も閉まった後の時間)だし、日曜日ということもあって乗客はレースの参加者以外には、外人さんが1人と若いあんちゃんが一人だけだった。極楽橋からは、橋本まで各停。この時間だともう橋本行の各停しかない。早い時間だと難波行きの特急があるのだが、この時間になってしまうと特急は橋本からしかない。乗換案内で調べて、すぐに特急があったので、極楽橋特急券を買って特急で帰ることにした。乗換案内では特急でも急行でも5分くらいしか家に着く時間が変わらないのだが、頑張ったご褒美という意味と、途中でお腹がすいたときに特急の方が気にせず食べられるので特急で帰った。
そして、家に帰ってお風呂に入ってから気が付いた。膝が全然痛くない。一体どういうこと? 確かに平坦を歩くのはずっと全然痛くなかったのだが、階段を下りても全く痛くない。金剛峰寺ではお寺の傾斜の緩い下りでもちょっと痛かったのに。これはやっぱり腸脛靭帯でなく、腰からくる坐骨神経痛なのかもしれない。以前にも左の膝だったが、同じように腸脛靭帯のあたりが痛くて整形外科に行ったら、お医者さんから場所が少し違うので腰からくる神経痛と言われたことがあった。今回も、そしてモンキートレイルの時からきっと坐骨神経痛だったのだろう。いずれにしてもこれが出てしまうと痛くて走れなくなるのでしっかり治すことが先決。前にも書いたように、これから暑くなるし、しばらくトレランは休んで治療の方を優先することにしようと思っています。
結局、その後整形外科を受診し、今度は腸脛靭帯円の疑いが濃いとのことでした。なんせ、先生も腸脛靭帯炎持ちで、体験談から言われるので説得力がありまくり。医学系の論文でも、あまり腸脛靭帯を詳細に扱ったものは無いそうで、先生も色々とご自分で調べられたらしい。腸脛靭帯炎はランナー膝とも呼ばれるくらい長距離ランナーの間では有名な症状なのに、ちょっと意外だった。