琵琶湖60㎞ナイトウォーク

8/27-28で琵琶湖岸をナイトウォークしてみました。
100kmのウルトラとかを考えると夜通し動き続ける必要があるので、今回はそのテストとして、どのくらいできるか試してみました。
コースは虎姫から篠原までの約60km。琵琶湖を一周すると約200㎞になるので、だいたい1/3弱の距離です。
夜に歩いたので今回は写真は少ないです。

基本構想

北陸線の虎姫を出発して、東海道線の篠原までの60㎞のコースを夜通しかけて歩く。
想定タイムは12時間。
基本的には全コースを歩く。(走ると体力が持たない可能性があるため)
10㎞毎に休憩ポイントを設ける。補給は基本的にコンビニで行い、荷物は極力減らす。
中間の30㎞地点で大休止を兼ねて夜食を取る。

準備、出発~虎姫駅

夏のことなので、防寒具は不要。ゴールしてから着替えようかと思い最初は着替えも準備したが、荷物になるので持っていくのはやめた。
服としては雨用にポンチョを一つ持って行っただけ。
その他、非常食として、チョコ羊羹、柿の種、トレイルバター、エナジージェルを用意。あとは、水に入れて飲むように塩熱タブレットと塩梅水。
薬類は、喘息発作が出たとき用に器官拡張剤、痛み止めのロキソニン、つり対策として芍薬甘草湯。
その他の持ち物は、ヘッドライト、かばんに付ける用の赤いライト、モバイルバッテリー。
服装は、上がファイントラックのドライレイヤークール(ノースリーブ)とラミースピンエアジップ。下が、サロモンのクロス5ショーツ
靴はアルトラのパラダイム
ザックはサロモンのADV Skin12。
冷たい水がいつでも飲めるように、サーモスのステンレスボトルを持って行こうと思っていたが、重くなるのでやめた。その代わりコンビニで凍った別途ボトルを買えばいいかと思っていた。

4時前の列車に乗り、高槻で新快速に乗り換え、新快速は敦賀行きなので、そこからは乗り換えなしで虎姫まで直行。
途中、草津で非常ボタンが押されたということで、草津駅手間で列車が止まる。人身事故だったら予定が大幅に狂うのでどうしようかと思ったが、幸い確認がすぐに終わり、約7分遅れで出発。
途中の米原で、切り離し作業が入ったが、ここで時間短縮したようで、虎姫駅には約3分遅れの5時18分に到着。
実は、今回は夜中になって列車が止まるので、途中でやめられないというリスクがある。そのためいつになく緊張していた。いつもなら大体ギブアップして途中でやめる方法をあらかじめ考えてから実行に移すことが多いのだが(大峯奥駈道だけはちょっと難しいが)、今回の場合は早々に切り上げて終電で帰るか、後は野宿するかくらいしか選択肢がない。

虎姫~彦根

とりあえずトイレを済ませて出発。何故かこの日はのどの渇きと尿意との戦いとなった。結局2時間に1回ずつくらいトイレに行った。

出発点の虎姫駅

ちょっとお腹が空いていたので、近くのコンビニ(ローソン長浜唐国町店)に寄って、水とサンドイッチを購入。ここはイートインがあったが、鎖がかかっていて使えないようになっていた、おそらくコロナ対策と思われる。以降もイートインが無かったり、あっても使えなかったりと、コンビニで休憩を取る作戦は結局失敗だった。
とりあえず、湖岸を目指して進む。歩いていると進むのが非常に遅く感じてもどかしい。普段は走ったり、自転車だったりするので、景色の変化の速度が遅い。日暮れまでに湖岸までつけるだろうか?
虎姫は思ったよりも涼しく、このまま気温が下がったらちょっとやばいかなと思った。なんせ羽織るものと言ったらポンチョくらいしかない。最悪はそれで我慢するしかないと思ったが、南へ行くと温度が上がっていき(正確にはほとんど下がらず)この心配は杞憂に終わった。
高時川を渡る。大きな鳥が何羽も河原にいる。明るいのは今の内なのでとりあえず写真を撮る。

高時川を渡る

高時川を渡ってから、田川という小さな川沿いを進み、日暮れ前に何とか湖岸に出た。

夕闇迫る、琵琶湖岸

湖岸まで5㎞ちょい。まだまだ先は長い。ここからは、自転車の琵琶一で走り慣れた湖岸の道を歩く。
風が強く、幸いに追い風で気持ちよく歩ける。
最初のチェックポイントは長浜。ちょっと距離があり約12㎞ほど。
長浜の手前でおしっこが我慢できなくなってきた。幸い、キャンプ場の駐車場があってそこにトイレがあったので済ませる。
7時40分頃長浜に到着。セブンイレブン長浜公園町店でおにぎり2個と水を購入。ただの水だと飲みにくかったので、ここで新しく買った方の水に、塩梅水を入れる。実は、もっと暑いと思っていて、コンビニで凍ったペットボトルを買って持ち歩こうと考えていたので、今回はフラスクを持ってこなかった。ところが案外涼しくて、結局凍ったペットボトルは結局買わずじまい。ペットボトルをザックの胸ポケットに入れたので、ごわごわして歩きにくかった。結果論としてはフラスクを持ってくればよかった。
長浜のコンビニはイートインがなかった。そこで、目の前の公園でおにぎりを食べることにした。すると、花火が上がった。

長浜で突然花火が上がる。

今日は花火大会かと思ったが、それにしては人手がないなあと思っていたら、すぐに終わってしまった。いわゆるゲリラ花火というやつか。
次のチェックポイントは彦根手前のコンビニ。この辺りはコンビニの間隔が長くちょうどいいところにない。次のチェックポイントまでも約12㎞ほど。
すっかり暗くなって湖岸をひたすら歩く。長浜のあたりは賑やかだったがすぐに、寂しい夜道になる。退屈なのでラジオでも持ってきたらよかったと後悔する。
そしてまたしても尿意がやってくる。
今度は、17㎞地点の道の駅、母の郷で用を足す。おしっこも近いが、緊張のせいかお腹も張ってガスもたまっていて少しお腹が痛い。どうも今日は調子が悪い。本当に最後まで行けるのか心配になってきた。
終電は彦根発が10時47分で、普通に歩いていては間に合わない。やめるなら米原駅を目指すくらいでないとだめだが、既にその分岐に差し掛かりつつある。終電に乗れなかったら琵琶湖岸で野宿か、それとも彦根あたりで開いているビジネスホテルでも探すかなどと、ネガティブなことばかり考える。
おまけにちょっと雨がぱらついて来た。雨の方は幸いにすぐにやんだが。
その後も単調な湖岸歩きが続き、10時過ぎに、ファミリーマート彦根ミシガン通り店に到着。ここでは、シュークリームを購入。ここもイートインはなく、外にベンチがあったのでそこに座ってシュークリームを食べる。
しばらく行くと彦根の市街に入って賑やかになってきた。ここから、湖岸を離れ彦根市内のラーメン店を目指す。
賑やかなところを通りすぎ、芹川を渡って左に入り湖岸を離れる。そこから平田川という細い川沿いを進む。このあたりは彦根の市街からほど近いあたりだが、住宅街で夜の11時近いとあって非常に静か。
川沿いをひたすら歩いて、突然賑やかな通りに出ると目的のラーメン店、ラーメンまこと屋彦根ベルロード店があった。ここはこの辺りでは貴重な夜12時までやっているラーメンやさん。ここで夜食を取って大休止とする。
ここまで約28㎞、時刻は11時ぐらい。だいたい予定通り。
ここで半熟煮卵牛じゃんラーメンをいただく。スープは豚骨系かな。自分的にはこってり過ぎず、あっさりでもなく程よい感じでおいしかった。
ramen-makotoya-hikone.business.site

食べている間にGarmin Instinctを充電。公称で11時間稼働ということになっているが12時間くらいかかる予定なので、たぶん電池が持たないと予測。

彦根~篠原

11時20分頃ラーメン屋を出る。もう終電はないので、今日は帰る手段はない。大休止で少し回復したので覚悟を決めて進む。このあたりはベルロードという彦根の目抜き通りらしい。しばらく行くともう一件ラーメン屋があった。うま屋ラーメンという店。後で調べるとこっちは夜の2時までやっている。こっちにしてもよかったか。その先には24時間営業のマクドナルドもあった。夜通し歩くなら、コンビニよりもこういうお店を活用したほうがいいかもしれない。もっとも街中にしかないのが難点なので、湖岸のような寂しいところを歩いたのでは使えない手ではあるが。
ベルロードもしばらく行くと寂れて来た。犬上川を渡って右に折れて湖岸に戻る。
湖岸に戻ると波の音が激しい。今日は風が強いせいだろう。幸いここまでは向かい風になっていないので歩くのに支障はきたしていない。この辺りでかかとが痛くなってきたのに気づく。どうもペースをあまり上げないようにしてきたおかげでかかと着地になっていたようだ。日ごろの鍛錬の成果が出ていない。いつもの歩き方に戻すと、かかとの痛みは消えた。そして、少しペースが上がる。やっぱり、重心の移動を使って前に前に進むようにすれば、少ない労力で早く進める。しかし、同時につま先に負荷がかかる。またしても右足の親指の爪が痛くなってきた。ここは何度も痛めているところだが、痛いのは靴に当たるせいだと思っていたが、それだけではなさそうだ。つま先着地で爪に負担がかかっているらしい。まあ、この場ではいかんともしがたいし、かかとが痛いよりはましなので、そのまま進む。
湖岸に出てすぐに、さざなみ街道から少し右に入って、湖岸の際を進む。最近はサイクリングロードもちゃんと整備されて青い線が引いてあるが、青い線もこっちの道にひかれていた。
夜中は寂しい、集落を抜けていく。この辺りでまた雨が落ちて来た。今度はさっきよりも強い。ポンチョを出そうかどうしようか悩むくらい強い。ちょうどこれ以上強くなったらポンチョの出番というところで強くならずに降っている。仕方ないので様子を見ることにする。
前方からゆっくりと光が近づいて来た。横に2つ光が見えたので車かと思ったがそれにしては遅いと思ったらチャリだった。チャリで夜中に琵琶一をやる人がいるんだ。チャリダーはこのあとも何人か見たが、歩いているのは自分一人だった。
41㎞を過ぎてようやく、セブンイレブン彦根新海町店に到着。大休止があったとはいえ、ここもちょっと長めできつかった。
ここで、アイス最中と麦茶を買う。塩梅茶は普段1Lか1.5Lくらいに溶かして飲んでいる(本来は500mlようなのだが)、その分には結構おいしいが、500mlに溶かすとちょっと濃くて甘さを感じてきつくなってきたので麦茶にすることにした。
ここのコンビニはイートインがあっても使えなく(といっても立ち食いスペースみたいな感じだったが)、外の駐車場で座って食べた。
足の痛みが結構きつくなってきたが、後チェックポイント一つと思って自分を鼓舞する。
この辺りはクモがやたら多く、蜘蛛の糸がすぐに手や足に絡まって、そのたびに取り払うので忙しい。
近江八幡市に入ると、湖岸を離れ山の際を進む。山の際を回り切ったところで、ローソン近江八幡島店に到着。ここまでで50㎞。自分自身の最長不倒距離に到達。ここからは未知の領域だ。
ここで、お腹が少し空いていたのでおにぎりを購入。ローソンはおにぎりの種類が多く迷ったが、ビビンバおにぎりにした。これは当たりで結構おいしかった。ここも、イートインはなく外の駐車場で座って食べる。
ここまで来たら近江八幡の市街はもうすぐ。
水郷の郷を抜けて、近江八幡市外に近づく。近江八幡市外に入ったところで麦茶がなくなったので、セブンイレブン近江八幡桜の宮町店で麦茶を購入。ここまではだいたい20㎞で600mlのペットボトル1本という割合だったが、ここにきて水分の消費が早くなった。尿意の方は相変わらずで、コンビニのたびにトイレに入っている。
時刻はもうすぐ5時。6月だったらもう明るくなっている時間だがまだまだ暗く、夜明けの気配がない。
ここからは近江八幡の駅はすぐ近くだが、目的地はその一つ先の篠原駅、あと5㎞くらい。
しばらく行くと賑やかなところを抜けてまた、寂れた通りになった。
桐原の辺でようやく明るくなってきたのでヘッドライトを消す。ちょうどヘッドライトの電池がなくなりつつあったところだった。ヘッドライトはPezlのアクティックコアを使っているが、一番暗いやつだと160時間もつということだがこのモードだと暗すぎて地面がほとんど見えない。2番目に明るいモードにすると歩けるくらいに明るくなる。このモードだと、この時期で丁度夜通し使える感じ。だいたい10-11時間くらいか。秋から冬だと予備の懐中電灯を持ってきて、途中で電池交換が必要になりそう。
ここで、歩道が工事中で歩けなくなったので、本来日野川の手前まで行くつもりだったが、明るくなってきて迷う心配も少ないので、桐原小学校の方に曲がる。小学校の前は新しく整備された道らしく歩道も広く歩きやすい。ここまで来れば駅まであと2㎞くらい。
日野川を渡ってしばらく行くと篠原駅に到着。5時40分頃。始発は5時半だったので、始発には間に合わなかった。予定では12時間で歩き切る予定だったが、休憩時間特に、大休止の時間があったので、予定より少し長くなった。まあ、早く着きすぎるよりも全然いい。とりあえず30分に一本は電車がくるし。
またお茶がなくなったので駅でもう一本麦茶を購入。そして駅でトイレに行ったのは言うまでもない。

ゴールの篠原駅に到着

篠原から乗ると、すぐに野洲、守山、草津、大津ときて行きよりも大部短く感じた。まあ、60kmも戻ってきているのでそりゃそうかと思った。

まとめと反省、今後に向けて

歩き終えた感想

一応目標の60㎞は歩き切ったが、かなり足にきた。筋肉痛というよりは、足の裏あたりの痛みを強く感じた。靴は、クッション性の良いアルトラのパラダイムを履いていたが、全部アスファルトの道だったことと、歩き方がかかと着地になることが多かったのが問題だったかもしれない。うまくいけば、次は100kmと思っていたが、このままではいきなり100kmは難しそうだ。

コンビニ休憩は失敗

琵琶一のツーリングでもよくコンビニを休憩ポイントにつかっているので、今回も同じ考え方でコンビニ休憩を取り入れたが、確かに食料、水を補給できるのはありがたいが、座って休むところがなく、全部をコンビニ休憩で済ませるのは無理がありそう。ルートを考えて、夜中に開いている店で座れるところで休憩を取り入れるなどの工夫が必要だと思った。自転車だと乗っている間はサドルに座っているのでそれほど座りたいと思わないが(お尻は痛くなるけど)、歩いていると座っての休憩は結構重要。あとは、荷物になるのを覚悟して折り畳みの椅子を持っていくか。
まあ、飲み物だけなら自販機で購入という手もあるが、無味乾燥な自販機よりも、人がいて明るいコンビニの方がほっとするのは間違いない。ただ、全部をコンビニ休憩にしてしまうとどうしてもゆっくりできないので休憩が短くなりがちで後々で響いてくる。休憩なしで長距離歩き切る体力があれば問題ないが、現状ではそうもいかないので別の方法を考える必要がある。

大休止は1回でよかったか?

今回はほぼ中間点の30km付近で大休止を1回とって夜食を食べたが、それ以外の休憩ポイントでちゃんと座れたのが2回、残りの2回は駐車場に座って食べた。上にも書いたが、ゆっくりできる雰囲気ではないのでそそくさと立ち去ることになり結果的に休憩時間が足りなかったように思う。時計を見て休憩時間を5分なり10分なり積極的にとるようにするか、20kmに1回大休止を挟むなどの工夫があった方がよかったかもしれない。大休止を取るためにはゆっくり座れるところが必要なので、24h営業のマックやスタバなどを探してルートに組み入れる工夫がいるが。ファミレスは最近は深夜には営業していないところが大半なのでちょっと使えないかな。閉まる前に入って、夜食を食べるというのはありかもしれない。ちょっと小腹に何かを入れるというのにはたとえ開いていても重たいかな。

道路歩きは退屈

ラソンを走っているときもいつも思っていたが、やることがなくて退屈に感じる。トレランだと、道を間違えないようにトレースするとか、傾斜や地面の様子が刻々と変化するのでそれに合わせて走り方を考えないといけないし、結構頭を使うので退屈することはあまりないが、ひたすら道を歩くとなると、結構退屈する。おまけに、夜、寂しいところを歩いていたりすると荷物にはなるがラジオなどを持って行った方がよいと思った。ラジオを聞いていてれば退屈しのぎになるし天気などの情報も得られるので一石二鳥。
ただし、夜通し歩き続けてもっと眠くなるかと思っていたが、全く眠気には襲われなかった。一晩くらいは何とかなるものだというのは収穫だった。夜眠くてどうしようもなかったら、トレランでもウォークでもウルトラは諦めざるを得ないところだったが、とりあえず先に希望がつながった。あとは体力の問題。

次回へ向けて

還暦前にトレランで100kmという目標を掲げていたが、コロナの影響もあってあまり距離が延ばせていない。大会ベースだと最長でまだ30km。
ランではなくウォークならと思って、今回60kmにトライした。うまくいけば、どこかで100kmウォークの大会に出ようかと考えていたが、もう少しトレーニングしないと100kmは難しいということが分かった。これでどんな形であれ還暦前に100kmというのはあきらめることになりそう。
次は80kmくらいが目標か? 今回のペースでいくと80kmだと、17-18時間くらいかかりそうなので、昼間だけでやりきるのは難しい。琵琶湖の周辺は歩道が整備されているところが多く歩くのも歩きやすいのだが、休憩ポイントをどうするかが大きな問題。今回うまくいけばそのまま距離を延ばすことも考えていたが、コースについては休憩ポイントを重視して慎重に考える必要がありそう。

虎姫って意外に標高が高い。涼しかったのはそのせいもあったのか。