比叡山と高野山

比叡山高野山といっても、宗教のお話ではない。一応このブログはトレランのブログなので、トレランのお話です。
昔、比叡山伝教大師最澄が開いた天台宗高野山弘法大師空海が開いた真言宗と習って、どちらも山岳仏教の聖地で、同じようなものだと思っていた。
弘法トレイルに出る前から、空海にはちょっと興味があって本なんかを読んでいたら、真言宗密教のお寺で、いわゆる顕教である天台宗はずいぶんと違うということを知った。もっとも、比叡山の方は、最澄の死後、いろいろな僧が活躍して、密教的要素がかなり強くなっているらしいが。自分が大学生の時に、NHKかどこかの番組で、2度目の千日回峰行に挑んどいる酒井大阿闍梨のドキュメントをやっていたが、千日回峰行などは、山岳信仰とかなり密接に結びついているし、密教的要素がかなり入っているように思うので、高野山との区別があまりついていなかった。
ところで、何故空海に興味を持ったかというと、まだ、30代のころに、シルクロードにあこがれて何度か旅行に行ったときに、その昔シルクロードを旅した玄奘三蔵の本を読んで偉いお坊さんだというように思ったが、その後、日本の空海も実は、玄奘と同じようなことをしたお坊さんだということに気づいて、空海に関する本を読んでみた。玄奘は、当時唐に伝わっていた仏教がまだ不完全で、知りたいことがあり、それがどうしても知りたくてはるばる砂漠を越えてインドまで旅をした。空海も、その当時日本に伝わってた密教が不完全で、その全体を知るために海を越えて唐にわたり密教を日本に持ち帰っている。
空海の生涯の全体を知るには、司馬遼太郎が書いた、「空海の風景」という本がお勧めです。

司馬遼太郎ははじめ、空海に関する小説を書きたかったようだが、いろいろと調べても、あまりに昔の話で、イメージが具体化しなかったらしい。そこで、小説風の随筆のような形でまとめられている。空海を小説として扱った本では、陳舜臣が書いた、「曼陀羅の人」という本が面白い。陳さんは、台湾系の華僑の人で、中国大陸や中国史にも造詣が深く、空海の在唐中のことをいきいきと小説に描き出している。

ただ、この本だけでは、空海がその後どのような生涯をたどったのかがわからず、少し消化不良気味になってしまう。空海が帰国した後のことを描いた小説としては、寺林峻の書いた、「空海 高野開山」という本が面白い。

日本に帰国した空海高野山を開き、入定する迄のことを小説化している。

宗教の話でないと言いながら、長々と空海の話を書いてしまったが、ここからが今日のお題の本番です。
弘法トレイルを不満の残る形ながらなんとか完走したので、次はどうしようかと考えています。
alasixosaka.hatenablog.com
前々から、比叡山国際トレイルに興味があって、コロナのときに23kmのコースが新設されたときにエントリーしたのですが、結局この時はコロナで大会が中止になって走ることができませんでした。
alasixosaka.hatenablog.com
そこで、今度はだいぶ長い距離も走れるようになってきたことだし、50kmに挑戦しようかと考えています。
ただ、大会のHPを見ると、50kmのエントリーには、40km以上のトレラン完走者か、フルマラソン4時間半以内のものという注釈があり、これだけなら、弘法トレイルを完走しているので条件はクリアしているのですが、そのあとに、完走するためにはフルマラソン4時間以内の走力が必要と書いてあるのです。
自分も、サブ4ランナーの端くれですが、サブ4でフルマラソンを走ったのははるか昔の話で、今は走ったら4時間どころか4時間半でも走る自信がないです。そんな自分で完走できるのか? という思いと、そんなこと書いてあったらなおさらチャレンジしてやれという気持ちとが交錯するような今の心境です。それと、比叡山がダメなら、今度は弘法トレイルのKtoKに出るという手もあると考えて、ちょっと、両者を比較してみました。
これが本日のお題の心で、比叡山でも高野山でもトレイルのレースが開催されている。これは、どちらも山岳修行と関連のあるお寺というところと無縁ではないと思っています。
コースは比叡山国際は、延暦寺を出発して比叡山山麓をぐるっと周回するコースでゴールも延暦寺の50km(50マイルというのもあります)。弘法トレイルのKtoK(以下KtoK)は、スタートが吉野の金峯山寺で、弘法大師が歩いた道をたどりゴールは高野山で距離は55.7km。こちらはワンウェイのコースです。
登りは、比叡山国際(以下比叡山)が3700m、KtoKが4462m。コースだけ見ると比叡山の方が楽なコース。問題は、制限時間で、比叡山は11時間。KtoKは14時間と制限時間が比叡山の方がかなり厳しい。この制限時間とDtoKのタイムを見て、自分がどのくらいでKtoKを走れるかシミュレーションしてみた。以前に、大峯奥駈道のトレイルランを単独走で走った時に、金峯山寺からKtoKのコース途中の大天井岳までだいたい2時間50分かかっている。大天井岳から、DtoKとKtoKの合流点である、小南峠までは約5km。下り基調なので、10分/kmとすると、ここまで3時間40分というところか。DtoKを走った時に小南峠までは45分で走っているので、DtoKのゴールタイムに3時間ほどを足すとだいたいKtoKのタイムが予測できる。そうすると、13時間くらいということになる。一応制限時間内でゴール出来る計算になる(あまり余裕はないが)。
また、今年に入って参加したトレイルランのkmあたりのタイムを見ると、だいたい13分/km程度で走っているので、それを基に計算しても、KtoKはだいたい13時間くらい。それを基に比叡山を計算すると、10時間50分という計算になる。こっちはもっと余裕がなく、制限時間ギリギリ。やはり、比叡山は制限時間がかなり厳しい。まあ、完走にフルマラソン4時間以内の走力が必要と書いてあることは結構順当だということか。比叡山を完走するためには、自分の走力では、エイドでの時間をどれだけ削れるかとかも含めて綿密な計画が必要になりそう。
まあ、時間はまだまだあるし、すぐに決めなくてもいいので、まずは、腰の状態、膝の状態を戻して、秋以降に比叡山のコースーを試走してみて決めることにしようと考えている。幸い、比叡山は家からそんなの遠くないし、交通の便も、弘法トレイルのコースに比べてはるかに良いので試走するのは問題なさそうだし。