六甲山全縦にチャレンジ。しかし、途中でリタイア

8/10に六甲山系の縦走をしてきました。
タイトルの通り、全縦に挑んだのですが、あえなく途中でリタイアとなってしまいました。
本来は、大峯奥駈道の第3回目を予定していました。
alasixosaka.hatenablog.com
しかし、コロナの感染拡大で万が一事故にでもあった場合、捜索隊出動などの事態は避けたいと考え、予定を変更して六甲山系縦走に切り替えました。
先月は大峯山系で、阪大の教授の方が遭難されて、幸い無事に救出されましたが、同様の事態だけは避けたいという思いと、予定のルートが行者還トンネルから前鬼口というルートで、途中のエスケープができないというのもありました。完走する以外には途中で引き返すしか選択肢がないルートなのです。最近体調がそれほど良くないので、絶対完走するという自信が今一持てなくて予定を変更しました。
六甲山の全縦もいつかは行きたいと思っていて、それなりにルートを調べたり、行った方のブログなどを読んで研究していたのですが、全体的に準備不足は否めなかった感がありました。そのあたりは最後に反省事項として書きたいと思います。いずれにしても、大峯山も完走は難しかったと思われ、結果的に予定の変更は正しかったのではないかと思っています。

須磨浦公園から出発

六甲山系全縦のスタート地点は山陽電鉄須磨浦公園駅です。

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山陽電鉄須磨浦公園駅

始発のJRに乗って、神戸方面に向かう。始発電車の行先はなんと加古川まで。普通は西明石までなのに。車内は意外に混んでいて、最初の内はオーバーナイトのサラリーマン風の若者がだるそうにしている人が多かったが、そのうち出かけるのか、通勤なのかまともな人が増えてきた。部活の生徒も見かける。空いていたら、朝食を食べて、テーピングもしようかと思ったがどうもそんな雰囲気にならないのでそのまま須磨駅まで乗っていく。台風は通り過ぎたが、まだ雲が結構残っていて台風一過の快晴には程遠い天気。六甲山の山頂も雲に隠れて見えない。山頂は雨が降っているのだろうか? まあ、曇りの方が暑くなくていいし、到着する頃にはお天気も回復して晴れているだろう。(結局たどり着けなかったのだけれど)
須磨駅山陽電鉄に乗り換え、目指す須磨浦公園駅は、そこから一駅。その前に須磨駅前のコンビニで氷と水を購入。須磨浦公園駅に着いたのは6時27分。
駅のベンチでテーピングと、買ってきた氷と水を、あらかじめ自宅で用意してい来たハイドレーションパックの塩梅水に足す。駅前には何もなく、トイレと自販機くらいしかないのである程度の準備は事前にしておく必要がある。車内で食べれなかったので、朝食のパン(ランチパック)も駅前のベンチで食べる。この辺がコロナの辛いところ。何もない時なら座れたら電車の中でパンぐらい食べてもと思うのだが、コロナ禍ではマスクを外すのは憚られる。特にある程度混んでいたら。まあ、通勤の時とかもマスク外して飲み食いしている人はちらほら見かけるが、コロナ禍では好ましくないと思うので、自分はしないことにしている。
トイレをすましていざ、出発。準備をしている間に次の列車がやってきて、出発は6時40分ごろになった。まず目指すのは、鉢伏山。いきなり結構な登り。ウォームアップなしでこの登りはキツイ。先は長いと思ってゆっくり目に登る。

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六甲山全縦のスタート地点

ここは、駅前からロープ―ウェイもあるみたいだが、早朝なので当然まだ運航していない。いるのは早朝散歩のお年寄りくらい。鉢伏山の山頂はコースから外れることになるので長い長いこの先を考えて山頂はスルーして次の旗振山に向かう。

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鉢伏山の山頂はコース外なのでスルー

しかし、振り返ると結構いい眺めだった。

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鉢伏山山頂付近から振り返った景色。海が間近に見える。

しばらく登って、次の旗振山に着く。さっきの鉢伏山よりもう少し標高が上がって、展望台もあり、景色は更によくなった。右手には明石海峡大橋、左手には神戸の街並み。

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旗振山から明石海峡大橋を望む

旗振山の次は鉄拐山に登る。この辺りでようやくウォームアップができて体が動くようになってきた。

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鉄拐山山頂。これで3つ目。

鉄拐山を過ぎると、一旦高倉台という住宅地の方に降りていく。縦走路の前半はこんな感じで、山と住宅街を交互に進むような感じになる。その分、途中で補給とかするにも便利なことは便利だ。ただし、早朝なのでコンビニくらいしか空いている店はないが。高倉台にはスーパーKOYOがある。出発時間をもう少し遅くして、半縦走で行くならここで補給が可能。まだ序盤なので補給は必要ないかもしれないが。

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山を下りて、高倉台に向かう。

住宅街の中も基本的に案内の看板がちゃんとあって道に迷う心配はほとんどなかった。今回は、自作のGPSアプリをサブ機のAQUOS Sense Plusに入れて、Yamapのアプリをメイン機のRedMe Note 10 Proに入れて持って行った。GPSアプリと標識、看板の両方を見ると迷うことはほとんどないと思う。

須磨アルプスを越えて

高倉台を抜けると、栂尾山に登る。その先が有名な須磨アルプスになる。栂尾山へは長い階段を登る。普段、家の近所の階段を登ってトレーニングしているが、ここの階段はその倍くらいあった。

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栂尾山への長い長い階段

階段を登り切りしばらく行くとようやく山頂に到着。ここまででスタートから約1時間。

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栂尾山山頂付近の案内看板

栂尾山から山続きですぐに横尾山に到着。

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横尾山の山頂

横尾山を過ぎるといよいよ須磨アルプスに差し掛かる。突然風景が変わって荒涼とした岩稜帯になる。何とも言えない風景だった。そして、足元が不安定でちょっと怖い。

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須磨アルプスの開始
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荒涼とした岩稜帯が広がる

ハイライトは馬の背と呼ばれる細尾根。ここはかなり怖かった。滑ると一気に滑落する。慎重に進む。

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須磨アルプスのハイライト馬の背

須磨アルプスを過ぎるとまた住宅街に入る。地下鉄の妙法寺駅付近に降りてくる。

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住宅街の中にも標識があって迷いにくい

途中高速をくぐったりするところもある。

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阪神高速は地下をくぐる

そして、通りの激しい道路を横切る。山歩きをしている感覚を忘れるような風景だ。この幹線道路沿いにコンビニがある。
今回は、まだ水分も十分あったのでスルーした。こういった補給ポイントを有効に活用すると荷物をかなり軽減できると思う。
妙法寺を過ぎて高取山に向かう。

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ここは妙法寺

高取山に向かうあたりは道が曲がりくねってちょっとわかりずらかった。GPSを見ながら道を確認して進んだ。

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高取山に向かう道。少し道がわかりづらいところがある。

高取山の山頂は神社になっている。山頂は全縦のルートから外れているので例によってスルー。

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高取山の山頂への階段。ここはスルーして先に進んだ

高取山を降りるとまたまた住宅街。丸山というところにでる。この辺りも少し道迷いの可能性のあるところ。

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丸山付近の道。少しわかりにくかった。

菊水山でグロッキー

丸山の住宅街を抜けると源平合戦で有名な鵯越駅に出る。ここにも案内の標識があるが、少し道がわかりにくい。正解ルートは駅の右手の細い道を進む。この道の入り口が目立たないのでうっかりしていると通り過ぎて駅の反対に行きそうになる。

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鵯越駅。ルートは駅の右手を進む。

鵯越駅を過ぎると菊水山に登る。ここがとってもきつかった。行けども行けども着かない。途中にあと1㎞の看板が2つもあるし。そして、どちらの看板からも山頂までは1㎞以上あった。頼むからいい加減な標識を立てるのはやめて欲しい。もうすぐだと思って頑張ってもまだまだ着かない。それの繰り返しで、頂上に着いた時にはすっかり消耗してしまった。山頂手前で後ろから、トレイルランナーらしき人が登ってきた。自分よりかなり速いペースだ。おそらく全縦をするのかな。自分はできなかったけど。

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菊水山の山頂。ここがおそらく前半のハイライト

菊水山到着は10時20分。ここまででほぼ想定通りのペース(コースタイムの60%)。しかし消耗が激しく、到底最後まで行ける気がしなくなってきた。とりあえず、ここで休憩をとって昼食のおにぎりをほおばる。
ハイドレーションの塩梅水の氷はとっくに溶けてしまっていて、ぬるいというか、背中の体温であったまっている状態になっている。そこで、山専サーモスに入れて来た氷水を飲む。冷たくて気持ちがいい。夏場は冷たい飲み物がやっぱりいい。この先の補給が心配なので、がぶ飲みして全部飲みそうになるのをこらえて少し残しておく。
菊水山の下りもつらかった。ごつごつした岩がゴロゴロしていて、疲れた足を容赦なく痛めつけるので全くスピードが出ない。この辺りで予定のペースから遅れ始める。しかしスピードを上げようにも体が言うことを聞かないので、いよいよ途中リタイアが頭をよぎる。下りきると天王吊橋に出る。フラットな地面が足にやさしい。

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天王吊橋。

ついにリタイアを決断

次は鍋蓋山を登る。続けるにしてもやめるにしてもここは登っておくことにする。まだ午前中だし、行けるところまで行こうと思った。登りは菊水山ほどでもないが、すでに足が動かなくなっているので立ち止まる回数が格段に増えた。ゆっくり登ってようやく山頂に到着。

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鍋蓋山の山頂
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鍋蓋山山頂からの景色。神戸の街が近い

山頂には、女子高生の山岳部員だろうか、元気な笑い声が響いていた。つくづく、若いっていいなと思った。大きな荷物を担いでいるのに元気いっぱいでうらやましかった。彼女らとは結局、新神戸駅までほぼ同じペースで進むことになった。
山頂でまた、休憩。こんな頻繁に休んでいては到底完走はおぼつかない。途中リタイアは菊水山でほぼ決めていたが、問題はどこでリタイアするか。地図アプリを見ながら検討する。市ケ原から新神戸に降りるか、摩耶山まで登って、ロープ―ウェイで降りるか。摩耶山まではまた結構な登りが待っているので、市ケ原まで行って降りることにした。これでコースの約半分なので、残り半分は後日に残しておこうと思った。
鍋蓋山を下りて、再度山(山の名前です)の下に出て、大龍寺の方に向かう。不思議なものでリタイアを決めると少し元気が出てきた。この分なら摩耶山も行けるかと思ったが、登りのきつさを考えるとやめておくのが賢明だと思い直して、予定通り新神戸駅に向かう。大龍寺手前の善助茶屋跡付近に自販機があったのでここで水を買って飲む。冷たい水が本当に気持ちいい。水を飲んで休んでいると、さっきの女子高生たちが降りてきて同じように自販機で水を買っていた。ここは彼女たちが先に出発した。Mag-Onのジェルを食べて最後のエネルギー補給をする。大龍寺の山門を過ぎて市ケ原に向かう。

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大龍寺の山門。新しくて立派。

市ケ原からいよいよ全縦のルートと別れて新神戸駅に降りていく。比較的緩やかな下りが続いて歩きやすいが、走ると足が痛い。もうゴールするだけなのであまりペースを上げずにゆっくり進むことにする。
途中、布引の滝を通る。ここはもう、新神戸駅から300mの地点。新幹線の駅のすぐ近くにこんなところがあるのはなんか不思議な気がする。

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布引の滝。新神戸駅からすぐなのに山の中という不思議。

12時35分にようやく新神戸駅に到着。駅手前にトイレがあったので、ここで、マイクロファイバータオルを濡らして体を拭いて、汗にまみれたシャツを着替える。
このマイクロファイバータオルはファイントラックのものだが(そうと知らずに買っていた、ファイントラックというメーカーを知ったのはもっとずっと後のこと)、本当に優秀で、水で濡らして体を拭くとさっぱりして気持ちがいい。
そして、最後の水を飲み干す。本当に冷たい水がありがたい。
新神戸の駅に行くと、またまた女子高生たちがいた、結局鍋蓋山からここまで同じペースだった。

今回の反省

見通しの甘さ

やっぱり六甲山全縦は厳しい。ある人のブログに歩いて11時間、トレランで8時間くらいと書いてあった。さすがに8時間は無理にしても、去年大峯山で9時間活動したので、最後まで行けると思っていたがそれは甘かった。というか、歩いて11時間というのはかなりのペースでちょっと信じられない気がする。今回は長丁場なので緩い下り区間と、住宅地の中くらいしか走っていないが、それでも歩くよりは早いと思っていたが、ペースを振り返ってみると、菊水山までのペースで全コースを走破しないと11時間では行けないはずで、自分の体力を考えるとこれは相当に厳しいということを思い知らされた。春に日の長いときにほぼ歩きで挑戦してみるのもいいかもしれない。それまでにもっと鍛えておかないといけないが。

装備に関して

今回は直前まで大峯山に行くことを想定して装備の準備をしていたので、それをそのまま流用して、防寒具や予備の水筒など不要なものを減らすということをしたが、終わってみての反省事項としてはやっぱり、コースの状況を考えてもう少し違う装備にした方が良かったように思った。特に、雨具をちゃんとしたのにしたり、水筒を山専サーモスにしたりと、それだけで重量が結構増えていて、後半にこの重さが結構堪えた。水筒は普通のサーモスに変えると結構重さは軽くなるし、途中で補給できるところが何カ所もあることを考えるとなくてもいいくらいかもしれない。雨具も低山で夏、ということと、天気予報を見ると、ズボンは不要で、上着も軽量のウィンドブレーカーでもよかったのかなと思っている。この2つで相当に重量が軽くできる。また、替えのズボンも持って行ったが、これも結局不要だった。シャツの着替えはあった方が終わってからすっきりするので持っていく価値があると思うが、いずれにしても一つ一つ、持っていくメリット、デメリットを再検討して装備を決めるべきだった。

コースの下調べ

一応、コース全体のルートは見ていて、GPXファイルに落としてあったので、それを地図アプリに入れて持って行ったが、どこが登り下りが厳しくてどこが緩いのか全く頭に入ってなかった。とりあえず摩耶山まで登り切ればなんとかなるだろうと考えていたが、菊水山があんなに厳しいとは思ってもいなかった。準備不足と言われても仕方がない。コースタイムの60%にこだわらずに、もう少し体力を温存して菊水山を登れば、摩耶山、六甲山までは行けたかもしれない。

色々反省点が多く、とても勉強になった一日だった。それでもやっぱり最後は体力がものをいうので鍛え方が足りなかったの一言に尽きる。ポンポン山くらいは登っておくべきだったと反省している。前の2回の大峯行ではいずれも、意図したわけではなかったが、ポンポン山に登っていてそれなりに山に登るという筋肉をつけていたので無事に行ってこれたのだろうと、今から振り返ると思っている。あまり山を舐めない方がいいというのが結論になる。