ESCAPE R3のフロントディレイラー交換

自転車の整備ネタはこのブログではあまり書いた記憶がないですが、今回は自転車のフロントディレイラーを交換したというお話。
といっても、自分用の自転車ではなく、子供が通学に使っている自転車で、GIANTのESCAPE R3というモデル。
どうも、どこかでこけたらしく、フロントディレイラーがバックリと割れている。

破損したフロントディレイラー

このままでは変速できないので、修理しないといけない。ちょうど試験前ということもあって、自転車屋に持って行って、また取りに行く時間がないと子供がいうので、自力で交換することにした。まあ、自分で交換したほうが安いし。その間は自分の自転車を代車として子供に貸すことにした。もう、高校生なので自転車が大きくて乗れないということがないのでその辺は便利なところ。
現物を見ると、Tuorneyと書いてある。シマノのHPを見て、どの型番かあたりを付けてみる。リアの変速段数は8段で、フロントは3段。フロントギアのアウターの枚数は48T、そしてベルト締めタイプのトップスイングだったので、おそらくFD-TY710ではないかと推測。FD-TY710は、枝番があってTS3とTS6の2つのタイプが存在する。スペックを比較すると、チェーンステイジオメトリーの角度がTS3は63-66°、TS6が66‐69°となっている。
チェーンステイジオメトリーとは何ぞや、ということで調べてみると、シートチューブとチェーンステイのアングルのことらしい。そんでもって、ロードバイク系は小さいものだと61°からあるらしく、角度の大きなのはマウンテンバイク系で、クロスバイクはその中間らへんということらしい。下記のサイトに詳しく書いてあった。
escape.poo.tokyo
そして、ESCAPE R3の角度は65°ということのようなので、TS3を買えばよいということになる。

FD-TY710は廃番?

ところが、ネットで探しても、FD-TY710を打っているお店は皆無。色々探して、ほぼ同じスペックのFD-TX800という型番を見つけたので、これを発注。

FD-TX800はつかない?

モノが入ってきたので、いざ取り付けと思って、取り付けてみたら、ワイヤーを張っていないのに、ディレイラーのポジションがミドルの位置にある。フロントディレイラーはワイヤーで引っ張って変速動作をするが、引っ張ることでアウター側に移動するので、何も張力がかかっていない時は、インナーの位置に来ないといけない。ところがFD-TX800を付けると、ミドルの位置に来る。おかしいなと思って、取り外したものとディレイラーと比べてみると、元のディレイラー(取り外すと下面にTY710としっかり書いてありました、ただしTS3かTS6かはわからない)はシートポストと変速機の位置が近いのに対し、FD-TY800はそれよりも位置が遠い。こんなことってあるのかと思って頭が真っ白になった。ロードバイク用のコンポーネントでは普通こんなことはない。クランクの取り付け位置は決まっていて、フロントがトリプルかダブルかでBBを変えてクランクの位置を決めてしまえば、シマノだろうが、カンパだろうが、スラムだろうが取り付けられるし(もちろん、他のコンポーネントも同じメーカーにしないとだめだが)、シマノの型番が違っていてもちゃんとつく。しかし、マウンテンバイクの場合はどうもそうではないらしい。
BBの軸長を調べてみると実にいろいろな種類があるようだ。下記のブログによると実に103㎜から127.5㎜まであるようだ。
kame32468.ddo.jp
こうなると何を買ったらいいのかさっぱりわからない。

結局FD-TY601を選択

また調べると、シマノコンポーネントの互換表というのがあるらしい。
sekisaicling.com
上記のブログを参考に、互換表を見てみると、FD-TY710と並んでFD-TY601という記載があった。ところが、このFD-TY601というのもほとんど流通していないパーツのようで、ネットで見つかったのは1件だけ。また、この互換表によるとFD-TX800も使えるような書き方になっている。本当にFD-TY601でよいのか疑心暗鬼になりながらとりあえず発注した。買ったのは63-66°用のL3の方。

シマノコンポーネント互換表。FD-TY710の同じ箱の中にFD-TY601がある。この表を見ればFD-TX800も使えそうに見える

ネットでは、FD-M310とか、FD-M315に交換している例が

注文してから、思いついて、ネットで「ESCAPE R3 フロントディレイラー」で検索すると、フロントディレイラーの交換例がいくつか見つかった。
ameblo.jp
www.noriostyle.com
ネット上の例ではFD-M310とかFD-M315と交換している人がいる。FD-M310はトップスイングで、FD-M315はダウンスイングという違いがあり、また、ネット上の情報だとFD-M310の方は、インナーに入れたときにリアのタイヤと干渉するということらしい(干渉しないという人もいる)。また、FD-M315の方はバンドがボトルゲージの取り付けダボに干渉するようだ。どちらも一長一短ありそう。また、交換した人が何故か自分の調べた限りでは、ほぼチェーンステイアングルが66-69°のものに交換している。なにやら不安な気分になったが、65°という情報が正しいとするとどちらでもあまり問題ないのかなという気もするので気にしないことにした。

FD-TY601が入荷、そして交換

FD-TY601が入荷したので交換を実行。

3つのディレイラーの比較。左からFD-TX800、FD-TY601、FD-TY710

FD-TY601は、対応するチューブ径が34.9Φと31.8Φの兼用になっていた。また、FD-TX800の方は、アダプターを取り付けれるようになっていて、アダプターなしで34.9Φに対応しており、31.8Φと28.6Φのアダプターが付属していた。FD-TY601の兼用というのはちょっと気持ち悪かったので、FD-TY800のアダプターを拝借してFD-TY601に取り付けた。
取り付けたところ、特に問題なく取り付けられて、無事に修理が完了した。
ところが、この話にはオチがあって、実は

FD-TX800も使えた?

ということのようだ。ようだというのは実際に取り付けて確かめていないのであくまで推測ということなんですが、取り付けを終わってもう一度FD-TX800をよく眺めると、ストッパーが噛まされていて、ストッパーを外すとディレイラーが内側に動いた。ということはちゃんとつくんじゃないの? 結局FD-TY601は買わなくて済んだのではという疑問が...。といっても後の祭りなんですが。まあ、MTBパーツのお勉強代というところでしょうか。