南アルプス登山 無念の断念

夏休みに南アルプスを登山する計画を立ていただ、いろいろあって麓までは行ったものの結局断念することに。
元々は、今年から新しく小屋番が変わった光岳小屋に止まる予定だった。

当初の計画

8/11 出発、麓の遠山郷に宿泊
8/12 池口岳登山口から光岳へ 光岳小屋泊
8/13 光岳小屋から畑薙ダムへ下山 しずてつバスで井川駅へ、井川から大井川鉄道川根温泉笹間渡へ、家族と合流して温泉に宿泊
8/14 観光、帰宅

始めはこういう予定を立てていた。

コロナで光岳小屋が休業

ところが、1週間ほど前に川根町役場から電話があって、小屋でコロナの患者が出たということで、8/12まで休業という連絡を受け、小屋泊ができなくなった。そこで予定を変更。

次の計画

8/11 予定通り、遠山郷に宿泊
8/12 池口岳へ日帰りで登山、下山後 遠山郷にもう1泊
8/13 列車で川根温泉へ移動、家族と合流して宿泊
8/14 観光して帰宅

とりあえず出発、しかし台風の接近で予定に暗雲

遠山郷の宿に電話して、もう一泊できるか聞いてみたところ、OKだったので、予定を変更して池口岳へ登ることにした。池口岳も標高2300mを越える200名山で、登る人は少ないようだが、日帰りで登るには結構登りごたえのある山だ。
ところが、台風が接近して、特に8/13日がやばそうという感じになってきた。それでも、出発時点の予報では8/12はなんとか天気が持ちそうな感じだったので、予定通り出発。

名古屋駅は大混雑

朝8時48分の新幹線で名古屋に向かう。名古屋まではスマートExを始めて使ってみた。会社の出張ではEx-ICを使っているので使い勝手はほぼ似たようなものだった。スマートExでは、事前に登録した交通系ICカードを新幹線乗車のタッチにも使うので、自分が普段使っているICOCAを登録しておけば、在来線の料金はICOCAで引かれて、そのまま一枚のカードをタッチするだけで新幹線に乗れる。カードが別に必要なEx-ICよりも便利に感じた。実は、遠山郷の最寄り駅は飯田線平岡駅で、在来線に長い距離乗るので、スマートExを使うよりも通しで切符を買っておいた方が得だったのだが、スマートExが特急券のみの販売に対応していないのに気づいたのが予約した後で、キャンセルして切符を買い直して手数料を払うよりもそのままスマートExで乗った方が安いので、キャンセルせずにそのまま名古屋まではスマートExを使った。Ex-ICでは特急券のみの販売に対応しているのでスマートExでも対応していると思い込んでいたミスだった。また、調べると飯田線の平岡はICカード(名古屋地区はTOICA)の対応圏外なので、切符を買う必要があるので、どうせ名古屋で切れるので、降りて切符を買うついでにお弁当を買おうと思った次第。
しかし、新幹線は結構空いていたが、名古屋駅はお盆の帰省ラッシュで大混雑。まず切符を買おうと券売機のところへ行ってみたが、平岡までは自動券売機で買える最長区間を越えていたため窓口での購入が必要だった。ところが窓口は長蛇の列。とりあえず切符は後回しにして、お弁当と行動食にういろうを買いに行く。お店の方も混んでいて、買うまでに結構並んで時間がかかった。なんとかお弁当とういろうは入手したものの、再び切符売り場に戻ってきたが相変わらずの長蛇の列でとても出発時間までに切符が買えそうにないので、後から清算することにしてとりあえず自動券売機で最短距離の切符を買って電車に乗り込む。
名古屋からは快速で豊橋に向かう。

久しぶりの飯田線

豊橋からは飯田線に乗り換え。豊橋から飯田線に乗るのは学生の時に乗ってい以来、ということはかれこれ40年ぶりということになる。その当時はまだ国鉄だった。時刻表の路線図で見つけた、やたらに駅の数の多い飯田線ってどんなところかと思って青春18きっぷで乗ってみた。それ以来になる。まだ廃止されず、第三セクターにもならず頑張っている。なんでも飯田線は最近では秘境駅の宝庫ということでマニアの人が結構乗るらしい。自分が乗った列車にもそれっぽい人が結構乗っていた。お陰でお盆とはいえ、超ローカル線の飯田線は結構人が乗っていた。新幹線よりも乗車率が高い(笑)。
普通列車に乗ること約3時間。駅の数はなんと40個。13:30頃にようやく平岡駅に到着。宿から車で迎えに来てくれてたので車に乗って遠山郷に向かう。駅からは約20分。本日の宿、民宿なかのさんに到着。

遠山郷にて

とりあえず、夜までにはまだ時間があるので、宿の付近をぶらぶらする。
遠山郷は信州と静岡を結ぶ秋葉街道の旧宿場町で、昔はそれなりに賑わっていたらしいが、今は主要道路からも離れ、鉄道もなくひっそりと山の中にたたずむ日本の山里という感じ。

遠山郷を流れる遠山川

宿は旧街道沿いにあるが、中山道の馬込や妻籠東海道の関といった旧街道の佇まいを残しているわけでもない。とりあえず、観光案内書があったので、見どころを聞いて、大杉というのを見に行った。

遠山郷の大杉

あと、遠山城(といっても小さいし、再建されたもの)に郷土館があったのでそこにもよってみた。地元のお祭りを調査したビデオを見て、館内を見学した。主にお祭り関係の展示が多かった。お祭りの際に着けるお面がたくさん展示されていた。郷土館の前に湧水があって、観音霊水というらしい。日本の百名水で最も硬度が高いということだった。とりあえず一口いただいた。

天気はどんどん悪化

さて、宿に帰って夜になると雨が降り始めた。天気予報を見ると明日はほぼ一日雨となっていた。どうやら台風(この時はまだ温帯低気圧)の影響で長野県南部には雨雲がかかっているらしい。少々の雨なら登山は可能なので、この時はまだ登る気でいた、しかし、夜になってどんどん天気は悪くなり、激しく振り出した。あしたもこんな天気なら登山は難しくなる。悶々としながら寝床に着いたが、やめるか無理して登るかいろいろ考えが巡って全然寝付けない。台風の進路も気になる。気持ちがどんどん萎えて、中止の方向に気持ちがいく。ほとんど寝れないまま、朝5時半に起床。起きたときは青空も見えて、もしやと思い、お天気をチェックしたが、このあと6時ごろから雨が降り出し、その後は一日中雨ないし、午後から曇りという予報。おまけに山の方は思いっきりガスがかかっていて視界が効かなそうで危険度が高そうに感じた。せっかくここまで来たのにという思いもあるが、そもそも光岳に登るつもりだったので無理してまで池口岳に登って万が一事故でも起こしたらやばいという思いから結局登山は断念した。そうすると、後は家族との旅行をどうするか。これも台風の進路次第で難しい決断を迫られそうだった。いずれにしても、登山をしないなら遠山郷にとどまっても意味がないので、宿は引き払うことにした。
引き払った後は、豊橋あたりでビジネスホテルに泊まるか、家まで帰ってしまうかの2択。最初は豊橋泊に気持ちが行っていたが、万が一家族旅行もキャンセルということになったら、切符の払い戻しが発生する。切符は自分のクレジットカードで一括で支払っていて、カードを持ってきている。その上、自分用と家族用を分けて、家族用は家内に渡してある。自分が豊橋にいて身動きできなくなったらキャンセルできない可能性もあるので、やっぱり家に帰ることにした。
朝食の時に、宿のおかみさんに事情を話してこの日の宿泊はキャンセルして駅まで送ってもらうことにした。ありがたいことに、急な変更にも快く応じてくれた。ちなみに、遠山郷までは平松駅から乗り合いのタクシーもあるのだが、こちらもコロナの患者が出たということで休業しているとのことだった。宿の方に送っていただけないと、飯田方面にバスで出るしか手段がないところだった。

とりあえず帰宅、そして旅行もキャンセル

8:30平岡発の豊橋行きに乗る。行きと違って電車はガラガラ。自分は夏休みだが今日は平日なので空いているのかも。しかし、途中の秘境駅では何人かの人が乗ってきたり、降りたりしていた。昨日ネットでたまたま見た記事では、途中にある小和田駅秘境駅中の秘境駅らしく、車で行くことができない駅なのだそうだ。その小和田駅で4人も降りて行った。彼らはこれからどうするのだろうか? 次の豊橋行きは約2時間後でしかも特急なので小和田には止まらない。そうすると更に2時間くらい電車ない。反対向きの列車に乗るのだろうか? 自分はローカル線に乗って車窓の風景なんかを楽しむのは好きだが、何もない駅に降りて何時間もすることがないというのにはどうも耐えられそうにない。昔、飯田線に乗った時はこんな秘境駅マニアはいなかったように思うが、いつからこんなにマニアが増えたのだろうか? 飯田線に乗って豊橋から岡谷まで行ったというだけで、ほぼ変人扱いだった昔とは大違いだ。
豊橋からは新幹線に乗ることもできるが、すぐに新快速に接続していて、名古屋までそれほど時間がかからずに行けるので名古屋までは在来線で行く。乗った列車は大垣行きで、大垣で乗り継いで米原まで行けば、米原から新快速に乗れるので、新幹線に乗らずとも帰ることはできるが、さすがにそこまでしてお金を節約しようとも思わない。もう一つの策としては、名古屋から近鉄の特急で大阪に出るというのがあるが、時間を見ると在来線で帰るのとほとんど変わらない。それなら新幹線の方が楽なので、名古屋からは新幹線で京都に向かう。指定を買うほどのことでもないので、自由席にした。どうせ40分くらいだし、最悪は立っていても、登山も何もしてないので体力は有り余っていると思っていたら、帰りの新幹線は行きよりももっとガラガラだった。自由席は1両に10人ほどしかお客さんがいない。
とりあず、14時前に帰宅。予定では明日から旅行だが、問題は台風の進路。始めの予報よりも進路が西寄りになって静岡に直撃しそうなコースになってきた。家内からはLINEで明日はどうするのかと問い合わせがきたが、今の状況ではやめるという決断をするというとこまでの状況ではなかった。切符は当日の出発時間までに駅に行けばキャンセルできるし、宿のキャンセルも前日でも当日でもキャンセル料に大差ないので、ぎりぎりまで様子を見ようと思ったら、その矢先に、旅行会社から電話がかかってきた。なんでも、大井川鉄道が明日は台風の影響で一日運休を決めたそうなので、キャンセルする場合は全額返金するとのこと。ちなみに車で宿まで行く場合は、運休になった大井川鉄道の運賃は返金ということらしい。申し込んでいたのは、大井川鉄道の切符とホテルの宿泊がパックになってツアーで、大井川鉄道の2日分のフリー切符もセットになっていた。こっちは鉄道で行く予定で切符まで買ってあるので、肝心の大井川鉄道が動かないのではどうしようもないのでキャンセルすることとした。残念だが、台風のせいでは仕方ないし、かえってあれこれ悩む必要もなくってある意味ではよかった。
ということで、夏休みの予定はまったく無茶苦茶になって結局、飯田線に乗りに行っただけに終わってしまった。まあ、こんなこともあるさ。
コロナに始まって、台風までやってきた今回の山行計画。結局、コロナが無くても光岳には登れなかったというオチまでついた。またいつの日か光岳に登ってみたいと思っている。なんせ、光岳小屋の宿泊料は事前支払いで支払ってあるので、いつかは泊まりに行かないと元が取れない。