スタッフザックを自作する

今回は、スタッフザックを自作してみましたというお話。
そもそも、何故スタッフザックを自作しようと考えたかというと、一つは、ちょうどピッタリサイズのザックが欲しかったというもの。そして、もう一つは、コロナで布マスクを自作したときに、ミシンを新調したのでそれなら他にも作ってみようということになりました。
だいたい、マスクを作ろうと思ったのも、市販のマスクを色々試した結果、どうもぴったりフィットし、かつ楽なマスクがないということで、それなら作ってしまえということで作ったのがそもそもです。自分は普段は眼鏡をかけているので、マスクをするとすぐに耳が痛くなって、フィット感が少しでもないとつらい思いをします。また、市販のマスクでは特に夏場は暑くてもっと息のしやすいマスクが欲しいと思って自分で作るしかないということになりました。
マスクを作るのに、ミシンを使うのですが、嫁さんが結婚したときに持ってきたミシンを取り出して使っていると、どうも調子が悪い。具体的には下糸が出てこないことがある。そうこうしているうちに布の送りもできなくなってこれは完全におかしいということになって、一応分解はしてみたものの、どうやら下糸を送り出す部分と、布を送る部分を駆動するための歯車が軸から外れて空回りしているらしいということはわかった。しかし、自分で修理できるかというと、歯車の固定がねじ止めとかでなく、直しようがないので、新調することにした。結婚当時からあるのでかれこれ20年以上使っているし、まあこの辺りでご苦労さんという感じかなと思った。
それで、買ったのは、ブラザーの一番安いやつ。


これでも約2万円と他社の安いのに比べると随分とお値段がはる。しかし、レビューとかを見ていると、他社の安いのがすぐに糸が絡まるとか、使い始めてすぐ壊れるとか書いてあるのに対し、ブラザーのは悪いことがあまり書いていないので、やっぱり物はいいのかと思ってこちらにした。もともと使っていたのもブラザーのミシンだったので、使い勝手はほとんど同じだった。ミシンは枯れた製品なんだということを実感した。

さて、肝心のスタッフザックだが、作ったことはもちろんないので、ネットを検索して作り方を探して、つぎの2つのサイトを参考にした。

book.nunocoto-fabric.com

www.bepal.net

なんでも、山用品を自分で作るのはMYOG(Make Your Own Gear)というそうな。簡単に言うと山用品のDIYというところか。以前に、アルコールストーブを自作しているので、MYOGは経験済みということになるかもしれないが、布製の製品は初めてなのでまた勝手が全然違った。
alasixosaka.hatenablog.com
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材料の買い出し

材料は本当にこだわって作るなら山用品材料の通販サイトなんかもあったりするので買うこともできるが、
outdoormaterialmart.jp


初めてなので高価な材料は無駄になった時に悲しいので近所の手芸店で適当なものを買ってきた。
ULとは程遠いが防水の生地があったのでそれにした。模様はタータンチェックのしかなく、色違いが3種類ほどあるだけだったので、出来るだけ地味な感じの生地にした。あとで気が付いたが、タータンチェックは生地に縦横の模様が入っているので、裁断するときにとてもいい目安になってとっても切り易かった。それと、丈夫なゴムひもを買ってきた。アウトドア用と書いてあったので使えるだろうと判断。本当はこれにコードストッパーがいるのだがこの時は買い忘れたので、後日家内に買ってきてもらった。

とりあえず試作してみる

はじめに、上記の参考サイトを見ながら、同じサイズ同じ形状のスタッフザックをそれぞれ1つずつ作ってみた。基本は直線縫いなのであまり難しいこともないが、口の部分コの字縫うところが一番難しかった。

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口の部分の縫い方。ここが結構難しい

上の方のサイトは底の部分を合わせて、四角にするような作り方。下の方のサイトは、底の部分はそのままにするか、マチをつけるという方法だった。しかし、手持ちのスタッフザックをみるとだいたい底は丸い形状をしているし、衣類を入れるなら丸の方が良さそうなので、丸底を作ることにした。
試作品は一応できたので、いよいよ自分用のスタッフザックの製作に取り掛かる。
欲しいのは、防寒用のマイクロフリースを入れるザックと、レインウェアを入れるザックの2つ。スタッフザックは買った時に一緒についてきているものもあるが、こういったものはだいたいがサイズに余裕をもって作ってあるので、たしかにちゃんと収納できるが、コンパクトに収めようと思うともう少し小さいのが欲しくなる。お店で買うこともできるが、理想的なサイズのものを探すのは難しいし、ピッタリサイズのが欲しければ作ってしまった方が早いような気がする。


サイズの計算でミスる

小さい方は丁度家にあるたて17cm×よこ13cmのものと、たて21cm×よこ16cmの中間サイズが欲しかったので、目標サイズをたて19cm×よこ14.5cmとした。生地のサイズは出来上がりのサイズに縫い代を足してやる必要があるので、たては3cmの縫い代として22cm、よこは折り返すので幅を2倍してから1cmの縫い代を足して30cmとした。そして、底は丸底にするために丸い生地を切り出した。生地のサイズは、袋の部分のよこがちょうど筒状になるので、30cmから縫い代を引いた分が円周と同じになるようにすればよい。円周の長さは2πrなので、周長が30cmなら、直径は約9cmの円が必要ということになる。ここで、何を思ったか円の部分にも縫い代を足してしまって10cmの円を切り出した。実はこれは必要ない。というのは縫ってみればわかるが、筒の部分の底と円を重ねて縫っていくだけなので、筒の周長と円の周長がぴったり合っていれば問題ないというのが結論。
同様に大きい方も計算した。当然底の円は縫い代を足したので大き目になっている。出来上がりサイズはたてが25cm、よこが17.5cmを想定し、たて28cmとよこ36cmの長方形の生地と、底用に直径12cmの生地を切り出した。これも直径は11cmくらいで丁度良いはずだ。

いざ作成、そして完成

といっても、夢中で作ったので作成途中の写真を撮っていないので、作り方の詳細は上記の参考サイト見ていただくとして、やっぱり底の丸い部分を縫うのに苦労した。一応やった方法を書いておくと、筒をきっちり作ってしまうと底が縫いにくくなるので、筒の部分は底の方だ初めに少し仮縫いをしておいて、それに底を合わせて、こちらも仮縫いして動かないようにする。そうしておいて、はじめに底の部分と筒を縫い合わせる。それから、筒を完成させて。次が口の部分。最後に一番上の紐を通す部分を折り返して縫って完成。という風に書くとすぐにできそうだが、とくに小さい方のザックは筒の部分のサイズがミシンの筒縫い出来る最小サイズよりも小さいので少しずつ布を送りながらミシンを止めては縫うの繰り返しで縫った。それでも1回目は失敗して布の送りがうまくいかずに底とサイドを縫い合わせてしまったので、ほどいてやり直した。それと、上に書いたように丸底の生地が大きいので筒の部分と合わせて縫うとどうしても生地が余るので奇麗に縫えずに不細工になった。まあ、出来栄えよりも使い勝手が重要なので、一応使えることだし、良しとすることにした。

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完成したスタッフザック。底が少しいびつになってしまった。特に右の小さい方。
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小さい方はマイクロフリース。大きい方はレインウェアにピッタリサイズ